ダラダラ坂、カレーメシ、赤飯おにぎり

    週末に和歌山と大阪の間にまたがる低山へ、ハイキングに行ってきた。年末に屋久島にトレッキングに行くので、新しく買った登山用品のテストと体力作りを兼ねて、登り2時間、下り1時間半くらいのお手軽なコースを歩いた。

    登りで2時間ならノンストップで楽勝、コースタイムの7割で登れると甘く見ていたけど、最初の45分はかなり急な坂道がダラダラと続き、普通に息が上がってしまい小休止をとってばかりだった。「ダラダラ坂は、真っ直ぐではなくジグザグに歩いて進むとラク」という、友人がマンガで仕入れた登山ハックを一緒に試したりして、ゲラゲラ笑いながら歩いていたら、60歳近そうな小柄なおじさんにすごくゆっくりと抜かれた。

 坂がキツかったのは最初だけで、尾根に出るとあとはなだらかな散歩道だった。関西地方はこの日を境にぐんと気温が下がった。空気はぴりっと冷たく、踏みしめる道は新しい落ち葉でさくさくしていて、とても気持ちが良い。きっちりと管理された杉林は日光が綺麗に差し込んで、影のコントラストが美しかった。それから途中で和歌山から大阪に入ったことが看板の表示でわかり、小さな達成感があったので友人と軽くハイタッチしておいた。

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 頂上にはコースタイムちょうどの2時間で到達。枯れたススキがみっしりと生えて美しい、ゴールデンレトリバーの背中のような丘だった。大阪サイドの街並みを見下ろすと、宗教団体のロウソクみたいな塔がくっきり見えた。

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    あとから頂上にやってきた声のデカイおばちゃんによれば、この日、同じ山系の山が冠雪していたらしい。うんうん、道理で寒いわけだね。バーナーで湯を沸かし、コーヒーと紅茶を一杯ずつ飲んだ。声のデカイおばちゃんの仲間は、あとからあとから時間差で登頂してきて、合計8人もいた。当然のように全員声がでかく、めちゃくちゃ話し好きだったので、持参してきた昼飯の中でカレーメシが一番人気だったらしいことがわかった。

 下山はあっという間だったけど、コーヒーも紅茶も飲んだせいで、尿意との戦いだった。友人が絶景だというので何度か写真を撮るために立ち止まったが、歩くのをやめると膀胱が痛んだ。なんとか尊厳を保ったまま下界に戻り、トイレを済ませてバス停に。ターミナル駅でスーパ銭湯に寄って、汗を流した。ジャグジー風呂で向かい側に陣取っていたおじさんがちょっと挙動不審だなと思って、横目で伺っていたら、湯船の中で赤飯おにぎりを食べていた。おいおいウソだろーと思って見つめていたら目が合ってしまい、おじさんはちょっと恥ずかしそうだった。おいおい。



 たまにいく居酒屋に寄って、軽くビールを飲んだ。異様にでかいカキフライが5粒で680円だった。寒いのは嫌いだけど、こういうことがあるから冬はあなどれない。

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