京都のお茶屋さん

京都でちょっといいお茶屋さんにいってきた。近々、海外の知人を訪ねるので、お土産のお買い物である。

 

きちんとした老舗のお茶屋さんに来たのはこれが初めてだ。このお茶屋さんのこともよく知らない。ただ、いい店だったのだ。賑やかな通りにあって入りやすい。古くてこじんまりとしている。年配のご主人は常に笑顔。格式のあるお店なのだとは思うのだけど「名店でござい」というニオイがしないのが特によかった。

 

とはいえそこは京都の老舗。雰囲気は抜群だ。俗な言い方をすれば、外国人観光客は大喜びだ。敷居を跨げば、ぴりりっと空気が変わる。カウンター越しに見える茶壺や木箱はふしぎな魔力を発している。柔和なご主人の説明を滔々と聞いていると、日常の些細な悩みは忘れてしまう。アマゾンプライムを解約し忘れてしまったこととか。

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買ったのは煎茶と焙じ茶で、おまけの茶筒を合わせても大した金額ではない。それでも始終、丁寧に対応してもらって、いたく感激した。本当に幸いなことに、いい店だったのだ。こういう専門店に行く場合、初めての店の印象は大切だ。いやな思いをしたり恥をかいたと思ったりしたら、その文化に触れるための扉はいったん閉ざされてしまう。ばたん。おかげで俺はお茶の専門店というものにまたいこうと思えたし、たぶんこの店が筆頭候補になるだろう。

 

15分ほどの買い物を終えて通りに戻ると、テレビの撮影をやっていた。三連休の賑やかな通りの中でも、ひときわ人が集まって団子状。そんな。あからさまな。と笑ってしまった。