紅茶のしっぽ
今まで気にも留めなかったものが、ある日とつぜん気になりだすことがある。で、最近は紅茶のティーバッグの先にくっついてるしっぽのような、小さな紙切れが気になっている。
コーヒーよりお茶派のわたくし。今まで飲んできたお茶類は数知れず、紅茶を飲むたびにしっぽちゃんの存在は認識していたが、カップの持ち手にくるくるっと巻きつけたあとは完全に意識の外にあった。
しかしよく見るとひとつひとつデザインやカタチが凝っている。しかも切手サイズでついつい愛でたくなるような可憐さだ。
ティーバッグそのものは個性がない分、タグにはほんの少しだけ遊び心を表現することができる。その控えめなかわいさに一度気づいてしまうと、もう無視なんてできない。むくむくと収集欲がもたげてくる。試しに二週間弱、このしっぽちゃんを意識的に集めてみた。会社では毎日お茶。喫茶店に入っても積極的に紅茶を頼み、ひとまずこれだけ集まった。
全員集合。
日東紅茶は王道のポット柄ですね。
ルピシアは小さめの正方形でクラシカル。
なんの模様かと思ったら身もふたもない「茶」の羅列。
うんうん、みんな違ってみんないい。俺はこういうちまちました紙類にめっぽう弱いのだ。ところでこのしっぽちゃんは、ちまたではティータグ(tea tag)と呼ばれているらしい。高度に情報化された社会において、正式名称がわかることは重要な意味を持つ。さらなる情報を求めて検索ができるからだ。イエス、ググラビリティ。
ああ、やっぱり。この世はかわいいしっぽで溢れている!しかも趣味としてティータグ収集する界隈がそれなりに繁栄している模様。これは素敵な世界を見つけてしまったぞ。
さてこうなると、俺だって素敵なコレクションを作りたいし、誰も持ってないレアなしっぽちゃんを自慢したい。しかしお茶ってやつは、一箱買うとなかなか消費するのに時間がかかる。すでに職場にも自宅にも、中途半端に余った茶葉で溢れかえっており、そう気軽に新しいのを買える状況ではない。ああ、これまで無為にしっぽちゃんを捨ててきたことが非常に悔やまれる…。
ではどうするか。こういうときは自分で勝手につくってしまえばいいのです。
こちらは頂き物のスリランカの紅茶。
もともとこんな正統派しっぽがついてますが。
外箱から適当な箇所を探して、オリジナルしっぽに。
で、切り抜いたのがこちらのおじさん。絶妙なサイズ感でしょ。糊でヒモをつけて完成。
ちなみにこちらのおじさん、一代で世界的紅茶ブランドのDilmahを築いた創業者であらせられるぞ。いわく人生の60年を紅茶に捧げてきたスゴイ人で、ある意味ブランド名なんかよりもよほどしっぽにふさわしい図柄だろう。おじさんの努力、ぼくは見てますよ。誠に勝手ながら、すこしいいことをした気分である。
次はウズベキスタンで買ってきたこの緑茶。
カラバリの意味は分からないけど、ゆるいゾウさんがかわいくて全色買ってしまったの。
ちなみに箱の中身はティーバッグではなく茶葉タイプなので、オフィシャルなしっぽちゃんは存在しない。
外箱を展開して。さあどこを切り出してやろうか。
やっぱりセンターの彼の存在感が際立ってるよね。
はい最高。かなりレアものの雰囲気を漂わせている。実際、デザイン性を売りにしたティーバッグでは、ネコやウサギをかたどったタグも存在する。しっぽは必ずしも四角である必要はないのだ。もしこの会社がティーバッグの販売を開始するときは、ぜひこのデザインを検討してもらいたい。
さらにもう一つ、中東・オマーンで買った緑茶。
エキゾチックで少し怪しげですが、ちゃんと緑茶です。
ここはやっぱり特徴的なアラビア文字をいかしたいところだよね。
ということで、こんなしっぽに。
実は外箱の裏地がこんな感じの模様なのでした。ブランドロゴが小紋柄のように並ぶ感じが、いかにもしっぽにありそうなデザインだったので。
最後に京都の老舗茶屋のほうじ茶。こんなかっこいい紙袋、中身が空いたからといって捨てるわけにはいかないでしょ。
どこを切り抜くかって?
まー、ここしかないよね。
でかいけど。まー、でかいけど。でも許す。最高にかわいいから。しかもさっきまでほうじ茶が入っていただけあって、このしっぽちゃん、香ばしくていい匂いがするんです。
・・・
かくして、寂しかったぼくのコレクションに、世界で一つだけの個性的なしっぽちゃんたちが加わったのでした。めでたしめでたし。
25?Tea Bags Pure Ceylonプレミアム品質Single原点ブラックTea Dilmah 50?g 1.7ozスリランカ
- 出版社/メーカー: Dilmah
- メディア:
- この商品を含むブログを見る